懇親会の会場で
ここは、化粧品会社の懇親会の会場で、1年間、会社に貢献した人たちを表彰するために開催するもので、100人以上は集まっていて、寛子は初めて愛美を懇親会に連れてきたのです。
「愛美、華やかな雰囲気でしょう、やっぱり、会社の人たちが集まると盛大になるわね」
「そうね、40年以上の歴史がある会社だから、いろいろな人たちがいるみたい」
「私もようやく、こういう会場に来ても恥ずかしくない成績を上げることができるようになったわ」
「凄いわね、私はまだまだよ、これから頑張らなくっちゃ」
「大丈夫よ、最初から成績がいい人なんていないんだから、あっ、こんにちは」
「今の誰なの?」
「平岡さん、凄い優秀な方なの、私が目標にしているひとよ」
「ふーん、何か振る舞いなんかもお金持ちって感じよね」
「そうでしょ、あらっ、室田さん、お久しぶりです」
「やあ、寛子さん、お元気そうですね」
「室田さんはお会いするたびに素敵になりますね」
「いやいや、僕にお世辞を言っても何にもなりませんよお、寛子さんこそ相変わらずセンスのいい指輪をしていらっしゃる」
「あら、そちらこそ、お世辞を言ってるじゃないですか」
と、そこへ、寛子がこの会社に入った頃からの知り合いが通りがかって、
「こんにちは、佐藤さんの奥さんじゃないですか」
「違う!違う!」
「あっ、そうか、すいません、山本さんの奥さんですよね」
「違うってば、その次!その次!」