花珠真珠 限界と個人の主観


花珠真珠 その基準や評価

 

花珠

花珠真珠の判定をしている鑑別機関の中では、真珠総合研究所と真珠科学研究所は取り扱い数が多く、そのほかでは数社が花珠を鑑別しています。

 

なお、花珠鑑別はダイヤモンドのように業界の統一基準がありませんので、鑑別機関ごとに独自の基準を設けて判定を行っているのが実情です。

 

そして、長年に渡って花珠真珠を扱っている宝石業者の間では、以前よりも全体的に判定基準が下がってきていると認識されている場合もあります。

 

それは、最近は真珠市場で花珠を求める声が多くなってきていますので、花珠判定基準を上げ過ぎると、需要に対して供給が間に合わなくなるという側面もあるのかもしれません。

 

品質基準として

花珠真珠の鑑別は、最高品質の真珠を示す一つの基準であることは間違いないのですが、真珠は花珠でなければならないという行き過ぎた花珠信仰は、本来の真珠のマーケットを狭めることになりますし、花珠の評価がなくとも照りやシェイプの素晴らしいアコヤ真珠はたくさん市場に出回っています。

 

また、一部の鑑別機関では、さらに基準を緩くして花珠真珠を乱発しているようなところも見受けられますので注意が必要です。

 

業界標準の花珠基準というものが存在しないのは、現在の科学的な鑑別方法によって真珠の美しさを客観的に、且つ、公平に判断するのは困難でもあるからです。

 

なお、花珠真珠を鑑別する場合は、基本的な部分は機械での判定が可能ですが、見た目の美しさに関しては目視による判定によって品質を見極めてその価値を判断する必要があり、ご自身でも真珠を見る目を養っていくと、より深く真珠を理解できると思います。

 

真珠総合研究所では

以下は、真珠総合研究所さんの花珠真珠に対する見解を抜粋しています。

 

● 当研究所は業界で一般的に使われている基準に準拠し、現在の浜揚げ事情および加工技術を勘案し独自基準にて優良真珠に花珠の呼称をつけています。
● その他、その製品にふさわしい表現にてコメントとして表記する場合があります。

 

-花珠真珠の基準について-

 

花珠は真珠業界で言う美しい希少性を表現する最高名称です。

 

条件として生産量の中でも数%しか生産されません。

 

(マキが標準以上であること)(他の条件に欠点の少ないこと)(加工度が良いこと)が条件になりますが、何より真珠の美しさが最高の条件になります。
☆ 基本的な検査項目は「巻」「形」「光沢」「きず」「仕上げ」とします。

 

☆ 検査品位がすべて「1」の最高品位であること、かつ花珠の呼称号にふさわしい品位と美しさを持っていることです。

 

鑑別書に記載されている品位の基準「1」は、検査基準をクリアした巻きの厚いもの(サイズにより異なります)を原則にし、見た目で厚巻き感があるものは厚巻きにします。

 

「形」マルまたはマルに近く見えるもの

 

「光沢」真珠光沢の強いもの(干渉色もあるもの)

 

「きず」自然養殖物ですから、無きずに近いもの微少な傷は認めます。

 

「仕上げ」加工技術が優秀なもの、連相の調和が美しいもの

 

花珠は機械検査的に欠点のないことが条件になりますが、生物が作った宝石である以上、検査項目のチェックはもとより、その真珠の美しさや作り手の感性も重要視します。また、時代背景と共にその尺度の変化も考慮します。

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